
そもそも運動連鎖とは?
足・膝・股関節とつながる関節の場合、二本足で立った状態だと筋肉が関節をそれぞれまたぐ関係上、互いに影響し合う連鎖が起こることを言います。
足が床面に固定されていると、足の歪みの影響はその上の膝にそして股関節へと影響し、骨盤の歪みを引き起こします。
骨盤から足へ影響を及ぼすこともあり、これを下降性運動連鎖といいます。
下からにしても上からにしても、動きや歪みの起点から離れるほど影響は薄れ効果は減るものとされています。
膝関節は下からも上からも影響を受ける
足(下)の問題が上行性運動連鎖によって膝に影響を及ぼし、股関節(上)の問題が下降性運動連鎖によって膝に影響を起こしています。
なので膝の問題を解決するためには、足と股関節の状態を踏まえて膝関節をみていく必要があります。
但し股関節は、骨盤帯と呼ばれるユニットの中のひとつとして機能していますから、骨盤帯(股関節・仙腸関節・恥骨結合・腰仙関節)全体の歪みのひとつとして股関節を見る必要があります。
足から整えるのはとても大事
やはり床に接地する足に歪みの問題があれば、骨盤や背骨を調整したところで、足からの上行性運動連鎖が働く限り問題はなかなか解決しません。
足の問題は過回内(オーバープロネーション)が主な要素になってきます。
内果が内側に倒れ内側アーチがつぶれて偏平足になり、足指が外に向いてしまうものです。
外反母趾を含めて下肢障害のほとんどの原因になっているといって過言ではありません。
オリンピック選手の陸上選手でさえこの問題で悩み、痛みや伸びない記録と戦っているケースが多いのです。
上行性運動連鎖を断ち切るために
骨盤や脊柱を整える手技や方法はたくさんあります。それによって下降性運動連鎖が整って膝までは改善する可能性はあるかもしれません。
もちろん膝そのもののを物療や運動療法で改善させることも必要はあるでしょう。
しかし足の問題がある限り、立って歩きもしくは走る生活があるのであれば、足からの上行性運動連鎖の影響を与え続けてしまいます。
多くの足の問題である過回内(オーバープロネーション)の解決には、「距骨」がキーポイントであることは間違いありません。
「距骨」を調整する
「距骨」は人体の中で唯一筋肉がつかない不思議な骨です。
距骨は自分で動くことができません。上下に挟まれて動かされるままになっている骨です。
ジャグリングするピエロが丸い筒の上に板を置いてバランスを取って立っていますが、筒が丸く自由に動けるからピエロはユラユラ揺らぎながら立っていられるわけです。
距骨も丸い筒のように、本来の位置で自由に揺らげるようでありたいわけです。
この「距骨」がズレると偏平足や足首の「背屈制限(しゃがむと踵が浮く)を引き起こします。
この問題は下肢障害はもとより、身体の様々なところにメカニカルストレスを生み出し、腰痛・肩こり・婦人科疾患・自律神経症などの原因にもなりかねません。
形を整える
距骨を含めて足の形を整え、その状態で動き歩くことが治療につながります。
全ての関節には理想の軌道が存在します。
ズレがなければ軌道上をきれいに動いてくれます。
形が崩れ関節の軌道が狂えば、他の関節の軌道も狂い、上行性に関節や筋肉の負担をかけ続けることになります。
それが「メカニカルストレス」です。
距骨の位置を整えて足の形を整えることができれば、楽に立って楽に歩くことができます。
なかなか症状が取れずに悩んでいる方は、一度足を見直してみませんか。
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